秘境のカカオと出会う旅

マヤカカオはメキシコの奥地、マヤ文明の遺跡が点在する緑豊かな森の中で育てられています。この秘境のカカオと出会うまでの偶然の数々。奇跡の旅路をお話します。

震災後、流れついたキューバの地

2011年3月11日の東日本大震災で職を失い、この機会と以前から憧れていたキューバへ旅に出る。キューバの東の果てバラコアで、チェ・ゲバラが栽培を推奨して現在へ至るカカオと出会い、自然界屈指の抗酸化作用を持ち、なおかつ人を幸せにする成分を含むことを知り、放射能の恐怖に怯える今の日本に必要なものはこれと絶望の出国から大志を抱き帰国、株式会社GOROCUBAを設立。しかしキューバ大使館仲介の下、輸入を試みるが全くうまくいかず、職、土地を転々とし瀬戸内海は小豆島に流れ着く。

小豆島が引き寄せたマヤへの導き

2015年の暮れ、隣島の豊島で新婚旅行中のメキシコ人夫婦と出会い、メキシコはカカオ発祥の地と知り、彼らを頼りメキシコへ旅立つ。より高品質のカカオを求め、現地での情報収集の末、グアテマラとの国境地帯、チアパス州は高地ジャングルの生産地にたどり着く。

この地帯は1960年代から土地を持たない小作農者や極貧の先住民に対し政府が未開のジャングルを自分たちで開拓することを条件に開拓した土地を所有することを認めた地帯で、ジャングルを人力のみで切り開いたインディへーナ(先住民族)の無数のコミュニティ(家族、親戚単位)があり、現在は国立公園に指定され、マヤの古代遺跡が点在している。森林農法を取り入れ原始のジャングルを守りながら次世代にそのままの環境を残すため自給自足の生活をしている。最低限必要な現金を得るためカカオ豆、コーヒー豆、換金率の高い農作物を栽培しているが結局は買い叩かれ搾取され続けていた。そこに2015年に非営利団体(CAMADDS,A.C.)がジャングルカカオ農家組合(ALIANZA DE CACAOTEROS DE LA SELVA)を結束させた。この非営利団体で活動する人達は1994年に北米自由貿易協定 (NAFTA)が発足されたことを機に後にはチアパス州のジャングルで泥沼の内戦に至り、追い詰められた農民のために戦ったサパティスタ民族解放軍(EZLN)でゲリラとして戦った戦士達で今現在も先住民や農家の生活を守るために非営利団体として活動している。

誇り高きメキシコの生産者たち

この生産地に着いた日の数日後にちょうどカカオ農家組合の集会がありそこで組合員や非営利団体職員を前に挨拶をした。「私は日本からカカオ豆を買いにやってきました。カカオ豆がどんな環境で、どんな人たちが育てているかを見にきました。より平等な取引を目指します。」その日から各コミュニティを転々とし、ジャングルでの生活、カカオ栽培を体験した。そして非営利団体から信頼を得て、常に利益を生産者と分け合うことを約束にする。輸出入の経験がまったくない非営利団体が、中間手数料も一切とらずメキシコのジャングルの奥から日本へカカオ豆を送ってくれることになりました。

こうしてできたのがマヤカカオです。奇跡の味をぜひお楽しみください。